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鹿児島県枕崎市の精神科・心療内科

TEL.0993-72-0055

〒898-0089 鹿児島県枕崎市白沢北町191

理事長ご挨拶

理事長ごあいさつ
社会医療法人 慈生会 理事長
鮫島 秀弥

院長写真

★当院の場所とくつろげる療養環境
 当院は薩摩半島の枕崎市の白沢に位置し、東に開聞岳を、南に東シナ海を望む風光明媚な地にあります。
「こころ」の病気にはゆっくり休まる療養環境も大切です。
 窓の外に見える四季折々の空と雲と海原、遠くに見える開聞岳の景色は、 うつ病や不安神経症、パニック障害、摂食障害などストレス関連障害の治療には最適だと思います。 薬物療法も大切ですが、ゆっくり療養していただくためにストレスケア病棟での入院治療もお受けしています。

★「こころ」の病気について
うつ病:うつ病は気分が沈み込み意欲が湧かなくなる病気です。
 気分転換でよくなるというものではなく、頑張っても、集中力・持続力・意欲が元のように戻らない状態です。 脳で情報を伝達する物質であるセロトニン、ノルアドレナリンが減り、ドーパミンも関係しているといわれています。
 周囲の環境のストレスがきっかけになっている場合もあり、薬物療法だけではなく入院による環境調整が効果的な場合も多いのです。
当院ではストレスケア病棟で、医師・看護師・薬剤師・精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士・栄養士がチームを組んで治療にあたっています。
 退院へ向けての準備、トライワーク・リワークを含めた就労支援なども 地域医療福祉連携課、作業療法課、デイケア課などの職員がお手伝い致します。
認知症:少子高齢化に伴って認知症という病気も増えてきています。
 認知症の病気があると記憶力が低下し、時間や場所がわからず、外に出て迷子になって事故に遭う、 などの行動面で目が離せない状態がしばしばあり、そういう時は当院での認知症治療病棟での入院治療をお勧めします。
規則正しい生活リズムと職員の温かい働きかけでよくなる場合が多いです。
併せて落ち着きを回復するために、アセチルコリン系等に働くお薬による薬物治療を併用することもあります。 認知症は特別な病気ではなく、平均寿命が延びた現代では誰にでもいずれ起こりうるものです。 生活機能訓練、回想法等のリハビリテーションなども併用しています。
当院では認知症疾患医療センターを併設しており、南薩医療圏において認知症の治療や介護の連携の要の役割を担っています。
何でもお気軽にご相談ください。
 また、認知症対応型共同生活介護(認知症の方用のグループホーム)も併設していますので、 入所などについてお気軽にご相談ください。
統合失調症: 「こころ」の病気の一つに統合失調症という病気があります。 人間には「五感」、いわゆる視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚があります。
 統合失調症ではこれらの「五感」が過敏になり、物音や他の人の気配・動作に敏感になり、 それが高じると、無いものが聞こえたり見えたりして、やがて「第六感」も過剰に働き、 事実ではないことまで「そうとしか思えない」確信を持たざるを得ない状況になり、 本人さん自身が一番苦しんでしまう病気です。
 現在のところ、脳の情報伝達系の一つであるドーパミン系経路の過剰な活動によるものではないか、と言われています。 当病院では精神科、心療内科医師が専門的な知識をもとに治療にあたっています。
最近は新世代の非定型抗精神病薬が登場しています。
病気で混乱している時期は薬物治療と入院による安静も必要です。 良くなるにしたがって、作業療法や心理療法も併用し、チームで治療を提供し、 退院時期や外来では自立支援や就労支援などのお手伝いをしています。 関連施設の「地域活動支援センター」「社会復帰アパート」「共同住居」「訪問看護ステーション」 などの職員も治療チームとしてお手伝いしていきます。
さまざまな「こころ」の問題:「こころ」の病気だけではなく 「こころ」の問題も含めると、当院で取り扱う範囲は幅広いものです。 高機能発達障害、学校でのいじめ、子どものうつ病、配偶者間虐待(DV)や子どもの虐待から生じる様々な 「こころ」の問題、身体病に伴う悩み、自殺予防活動、アルコール依存症や薬物依存症、 職場での人間関係の悩みの相談、他医療機関からの相談、など多岐にわたります。
 よろず相談という訳ではありませんが、それぞれ専門職員が相談に乗り、 適切な治療やアドバイスを行うようにお待ちしていますので、お気軽にご相談ください。
★他の医療機関との連携:
 くつろげる療養環境は大切です。
私どもは「こころ」の病気の治療にはそういう環境が大事だと考えて準備しています。
 人は、悩める時には普段の人間関係や場所から離れてみることも必要です。
できれば電話やメールからも一時的に離れて、ゆっくりしてみることも必要です。 また同時に、回復するに従い、徐々に対人交流を増やし、人間関係を円滑に行うための技術を身に着けていくことも必要です。 当院では、人口の多い鹿児島市や他都道府県の医療機関(病院や診療所)からの紹介も受け入れています。
「こころ」の安定を回復したら、かかりつけ医のもとにお返しして、引き続き通院治療を続けられるようにお手伝いしていきます。 鹿児島市内から1時間ぐらいの距離というのは、別な視点から見れば療養にとって適切な距離ではないでしょうか。
 品ぞろえが豊富とは言えませんが、病院敷地内にコンビニエンス・ストアも準備しています。
★学校との連携:
 学校保健にも力を入れています。 当院の臨床心理士を近隣の学校に派遣し、心理カウンセリングや心理相談を行っています。
 思春期は、「こころ」の悩みや「こころ」の病気が発症が出る時期であり、一人で苦しんでいることも多い時期です。
少子化の時代ですが、逆に思春期の「こころ」の問題は増えています。
 当院では臨床心理士をはじめとする多職種で支えていく体制に力を入れてています。
★職場との連携
 産業保健の分野については、勤労者が「こころ」の病気で休業し、 治療により回復して復職する段階を迎えた場合には、病状に配慮しながら環境を調整し徐々に業務量を増やし、 作業環境を調整していくことが必要です。
 当院では、主治医や精神保健福祉士をはじめとする地域医療福祉連携課の職員を中心に、 職場と連絡を取りながら適切な復職支援を行っています。
 また、作業療法課、デイケア課でリワークプログラム等を行っています。
★画像診断:
器質的な鑑別診断機能にも力を入れています。
16列マルチスライスCTを導入しています。
それにより、中枢神経系の冠状断の画像が鮮明に描出できるようになりました。
 認知機能をみる心理検査とあわせて、認知症の診断が正確に行えます。脳腫瘍や脳梗塞、脳出血などの診断も正確に行えます。 脳などの中枢神経系の画像診断は当院の医師が行いますが、複数の医師による読影による正確さと、 胸部や腹部など中枢神経系以外の画像診断の正確さも必要です。
 当院では「かごしま救急医療遠隔画像診断センター」と専用回線で結び、 撮影した画像を速やかに専門の放射線科医が読影し返事を頂くことで、診断の正確さを期しています。
是非、画像診断も当院をご利用ください。
★精神科救急医療:
当院は精神科救急医療に常時(24時間・365日)対応できる体制をとっています。 社会医療法人としての役割です。また、応急入院の受け入れ態勢もとっています。
 精神科救急は、たとえば大量服薬による意識障害や外傷を伴う場合があり、 初期は呼吸管理などの身体科救急医療が必要な場合もありますので、 枕崎市内や市外の身体科救急病院と連携をしながら治療を行っています。
★少し工夫をしてみました:
 食事は人にとって大事なことです。
必要なことであり、楽しみなことでもあります。
 当院では、少し大げさかも知れませんが、食事により笑顔が戻ってくるように、 管理栄養士とともに料理長が食事の工夫をしています。
行事食としてお寿司を目の前で握る、という工夫もしています。
★★特に強調したいこと:
「こころ」の病気は特別なものではありません。
「癌ノイローゼ」で不安になる、身体病の疼痛で気持ちも憂うつになる、「こころ」の苦しみを誰もわかってくれずリストカットの痛みで紛らわす、等々、誰にでも起こりうるものです。
当院では皆さんが苦しみを乗り越え、自分で1人立ちできるようにお手伝いしていきます。
どうぞ、いつでもお気軽にご相談下さることをお待ちしています。
 (平成26年7月24日作成)
 (平成26年8月11日改定)